こんにちは!NO.S PROJECTです。
猛暑も過ぎ去り、秋を感じる日が増えてきました。
「熱中症に注意!」と言われていたのに、急に「本日は肌寒くなるでしょう」なんて言われてしまうと何を着るか悩んでしまいますね。
去年何を着ていたのかわからなくなるのは、スタッフ①だけじゃないはず...!
本日は皆さまの秋のワードローブに是非加えていただきたい、こだわりの2アイテムを開発秘話とともにお届けします。
「アルテミス・ブラウス」
”月”からインスピーレーションを受けて誕生したメンズライクなブラウスです。
シンプルながらも細工を散りばめた仕上がり、個性的すぎない分あらゆるシーンで着ていただける一着です。
◆もっとも特徴的なプリーツ袖
流れるような直線が美しいプリーツ袖。
”サイドプリーツ”や”車ヒダ”とも呼ばれることがありますが、プリーツの倒れ方が一方方向になっている加工です。
制服のスカートによく登場するプリーツですね。
このプリーツの美しさを損なわないために、袖下部分の縫い合わせをあえて直線にしています。
本来袖下は曲線になっているのが一般的ですが、曲線にするとプリーツの縫い合わせが合わず、美しい袖に仕上がりません。
袖の正しい運動量(腕を上げたり下げたりする動作が問題なく可能か)を考えたうえで
プリーツが均等に、かつ一直線の綺麗なラインになるよう袖下を直線にしたことで今度は裁断が高難度に。
また、プリーツ袖を採用したことで、二次元ブラウスなどと比べるとボリュームを感じられるお袖になっています。
◆高難度の裁断
「裁断」とは生地をお洋服の各パーツにカットする工程です。
一型のお洋服を1.000枚~などの単位で作っている大手アパレルメーカーさんでは
通常、服の生地をミルフィーユのように何層も重ね一気に何十着分と機械で裁断していきます。
こちらの方が作業効率が良いからです。
チェック柄やボーダーなどの方向性のある柄物の場合は”柄合わせ”と呼ばれる作業があるため、この限りではありません。
ちなみに「ボックスプリーツワンピース チェック」はアトリエの裁断士が数着ずつ慎重に柄合わせをしながら裁断しています。(70代のおじいちゃん、趣味/尺八演奏)
「アルテミス・ブラウス」の場合、袖下部分を必ずプリーツの線に合わせて裁断しなければならないため、重ねて裁断することが不可能となります。
アトリエでは一枚一枚手作業で裁断を行っていました。
作業量を甘く見積もっていました...との社内の声もチラホラ。
こんなに狂ったこだわった商品の言い出しっぺはスタッフ①。
反省しています。(でもとても可愛いので許してほしい)
◆独特な表情を持った衿
縫製上、可能な範囲の限界まで”剣先”を細くしました。
※剣先=衿の先端部分のこと。
「衿」には”表衿”と”裏衿”が存在しており、それらを縫い合わせてひっくり返して形にします。
このひっくり返す動作の際に、”縫い代”と呼ばれる部分をカットしないと美しい仕上がりにはなりません。
アルテミスの場合、衿の先が細く、鋭いため縫い代をかなりの範囲でカットしなければなりませんが、カットしすぎてしまうとお洋服の強度という部分に疑問が出てきます。
日常的によく行う、着用する際の動作で衿の縫製がほどけるような事はあってはなりません。
故に、”縫製上可能な範囲での限界”までとなりました。
シンプルな商品に見えて、繊細な工程が重要視されるアルテミス・ブラウス。
形にするまでにパタンナーさんとメールを送り合った回数は驚異の63回!!
「アステリア・パンツ」
”星”からインスピレーションを受けて誕生したショートパンツ。
英国紳士がタキシードを着用する際に腰にまとう「カマーベスト」がデザインソースです。
「NO.S PROJECT」と聞いてお嬢様のようなふわっと広がるスカートやパニエを想像される方が多い中、実はもうひとつ”凛とした佇まいのかっこいい女性”というテーマ性を持っています。
◆紳士の装いに限りなく近づけた、スマートなデザイン。
本来のカマーベストは夜の正装、「ブラックタイ」と呼ばれるドレスコードのみ着用可能な装いです。
タキシードやメスジャケットと共に着るアイテムとなるため、ノスプロの商品ですと「ビスチェスクジャケット」と合わせていただけると正装感が生まれます。
一見するとショートパンツの上にベストのようなコルセットパーツを巻いているように見えますが、こちらは一体型のハイウエストショートパンツです。
この「重ねてているように見える」だとか「○○しているように見える」が曲者で、縫製の工程を何倍にも増やします。
「アステリア・パンツ」の場合、カマーベストの先はしっかり縫製で作り込んでおり、
かつ正面はかなりハイウエストな印象に対して、背中側は緩やかに曲線を描いたバックレスタイプ。
このベストの先の作り込みや背面の曲線を生み出すために必要なパーツ数は、なんと22パーツ!(コート並みのパーツ数です)
アトリエの縫製士がサンプルを縫うのに丸一日かかりました。
「キャブリオレ・ボトムスの比にならないほどの手間」と言わしめた超新星。
ちなみにキャブリオレ・ボトムスは16パーツです。
◆悩みに悩んだ丈感
実はノスプロ史上最も短いパンツ丈です。
(社内通称はすごくみじかいパンツ)
ショートパンツは過去に「ヴィクトル・パンツ」という膝丈のアイテムを販売していました。
現行品では「猫耳ショートパンツ」がありますが、かぼちゃパンツのようなふっくらしたシルエットなので極端に短い印象はありません。
「アステリア・パンツ」の場合は、今の丈に決定するまで3回ほど修正があり
最終的に下着が見えないか何度も確認作業を行いました。
時には社長自身に着用していただき、自ら股ぐりを覗き込んでもらったり
イスに座ったまま股を軽く広げてもらい、私がその延長線上に座ってパンツが見えないか確認したり。
通常想定されるような動作では下着がうっかり見えてしまうことはないと確信した上で、こちらの丈感で製作いたしました。
※サイズ表の中から、本人の体型サイズに一番適した着用感(サイズ)で想定した場合です。
途中から一体何をしているんだろう...?とお互い思いながらも、身体を張って検証に付き合ってくれた社長に感謝です。
ロングブーツやニーハイソックス等が非常に似合う一着となっておりますので、足元の遊びを楽しみながら是非ご活用ください。
《販売開始》2024.9.27 18:00~
※こちらの商品は予約商品です。お届け時期は11月上旬頃となります。
本日もごゆっくりお買い物をお楽しみください。
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