【1日限定ショップ】「NO.S PROJECTへの挑戦状」挑戦中!~パターン編~

執筆:パタンナー



《デザイン・資材打ち合わせ》
設計を練ったうえでのデザイン画をもとに資材の打合せを行いました!
いよいよ、ウェディングドレスの「リレー」が始まる!という感じでした!!
大賞のドレスの「意図」(デザインする時の「コンセプト、ポリシー」にあたるモノでしょうか・・・)をくみ取りながらの設計、構造を模索&思考して「絵型」をおこしていただきました。
この時点で設計担当の頭の中では「ここはこんな構造で。ここはあの生地、あそこはあの資材を当て込もうか・・・」とグルグル考えられていたのではないでしょうか・・・?
お疲れ様でした・・・いただきます(笑)
今回のドールはすぴ様の「意図」も「絵型」もわかりやすかったので頭の中ではすでにパターンは先走ってイメージ出来ていました。



《ドールボディ採寸》
そこでまずはNo.Sボディ(これはBOSSが精魂込めてセッセとこさえてくださいました。実はここでも試行錯誤があったんですよ!そのうちBOSSから語られるかも・・・)の採寸をして、どのくらいの寸法で立体にするのかを決めました。



《ファーストパターン》
そしてファーストパターン(=カタチにするときに一番最初に引くパターンで、そのパターンで本当に立体としてのカタチがおかしくないか確認するベースです)に突入です!とにかく「迫力と美しさを兼ね備えた存在感を!!」と考えてガリガリ引きました!



 

 

《トワル①》
ファーストパターンが出来上がるとシーチングというトワル(=これがファーストパターンを形にしたモノです)に使う布と、今回は裏地も使用しました。
とにかく「分量」をタップリにしようと考えていたので、ギャザーやフリルがとんでもない長さで・・・縫い合わせるのにちょっと時間がかかってしまいました(汗)
このあと「バトン」を待っている担当者たちの作業時間に影響するので、とにかくここまでをスピーディーにやらないと!(大汗)





《トワルチェック①》
ひとまずカタチにしたトワルをメンバーでチェックします。
あまりに「分量」を入れ過ぎてしまいました・・・残念・・・
せっかくの「斜めの切替」がフレアでうねってしまい、そこに並ぶはずのバラたちが活きない状態だったのでフレア分をカットすることに。
大体の「ドレスのボリューム」が決まったので、これでポイントになるであろう「斜めの切替」に並ぶバラの大きさや大体の数を、担当者がイメージ出来たのではないかと。
バックスタイルの大きなポイントであるリボン&トレーンも担当者の頭の中ではすでにスタートしているようでした。

[caption id="attachment_1501" align="alignnone" width="973"] 仮の資材でバラの大きさ、配置のバランスを事前確認[/caption]

 

《パターン修正①》
トワルチェックのチェックを反映させるべくファーストパターンを修正!
早速、トワル②に取り掛かります。
今度は、同時にパニエも何個か作ってみましたが、どれも上手い「カタチ」にならず本格的に考えなくては・・・とひそかに思っていました。



《トワル②》
カットしたフレア分が足りず、まだ「うねり」が目立ったのでこれは設計担当と相談してさらに修正を入れることにしました。
この時点ではまだパニエは私の頭の中でブスブスと燻っている状態・・・



《パターン修正②》
これでトワルの終点が見えたので「より実物に近い状態に」と思い、スカート上部に実物の生地(の色違い)を使用したトワルにしました。
この3回目のトワルをNo.Sボディに着せ付けるときに、燻っていたパニエも構造がまとまりました!!





《トワル③》
これでやっとスカート上部のフレアによる「うねり」が丁度良い感じに収まり、「斜めの切替」やスカート全体の「段々」と「レース」の出具合いなどなど・・・バランス調整も設計担当のOKをもらい、これでプロダクトパターン(=最終的な修正の入ったパターンをベースに、パーツごとに分けて「指示・仕様・注意事項」などの情報を書き込んだパターン)に作業を移すことが出来、トワルOKまでの間に得た情報をすべて落とし込んでいきます。

《プロダクトパターン》
おそらく・・・パタンナーの仕事の中でも「BEST3」に入る「気を使うトコロ」ではないでしょうか?
ここで気を抜いてしまうと途端に「意図と違うモノ」が上がってきてしまいます。
先ほど挙げた「トワルOKまでの間に得た情報」や考えられる限りの「配慮」がどれだけ盛り込まれるかによって、このあと作業をしていただく人たちの「仕事のしやすさ」にダイレクトに関わってきます。上がってくる「モノ」の完成度にも関わってきます。
お客様に、身にまとっていただいた時「着心地がいい!」「シルエットがきれい!」「こんな手の込んだことまで・・・!」と感じていただけるかどうか・・・
さらに、裁断士、縫製士が「何をどうすればいいか」分かる状態にしたパターンでなければ「いいモノ」には辿り着けません。
パターンを「ただの紙」にしてしまうか「しゃべる紙」に出来るか・・・
パタンナーの仕事の中でも神経は使いますが、かなり楽しい部分です!私が「クライマックス!」と呼んでいる仕事の「プロセス」の一つです。

・・・気が付いてみれば余計なことを書いてしまいましたね・・・つい・・・(苦笑)

[caption id="attachment_1540" align="alignnone" width="973"] プロダクトパターン完成直前、資材最終確認[/caption]

さて!プロダクトパターンを完成させる前に、設計担当と最終確認です!
パーツごとに異なる使用生地や、今回の場合は生地の端処理など・・・
確認完了後、パターンカットしてこの「バトン」を次の裁断士さんに渡します!!
よろしくお願いしま~す!



挑戦状:『NO.S PROJECTへの挑戦状』大賞・特別賞発表!
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