~「二次元と運命が交差するブラウス」ブラッシュアップについて~ Comment by 店長
今秋より、大人気「二次元と運命が交差するブラウス」をブラッシュアップ版に切り替えを行います。
まずは8月28日(金)より予約受付開始のボルドー・ブラックがブラッシュアップ版で初登場。
ホワイト、ベージュカラーにつきましても、現在の在庫が無くなり次第、ブラッシュアップ版への切り替えを行います。
お客様より「腕が上がらない」とのご意見を度々頂きますが、よくよく話を伺うと「肩をグルグル回す」「腕を真上真横に上げる」といった動作が出来ないといった場合が多くございました。
腕が動かしやすいTシャツなどとブラウスは、そもそも袖のつき方から異なります。
それぞれのアイテム毎の構造や特性の解説を踏まえながら、どのように着やすくする方法がベストなのか、今回の記事はパタンナーの思考過程を辿ることが出来る内容です。
「シルエットはそのままに、より着やすく」なるよう、パタンナーが考え、神経を使い、ブラッシュアップ版の開発が完了しました。
開発担当のパタンナーがブラウスのブラッシュアップについて詳しい解説を行わせて頂きます。
~「二次元と運命が交差するブラウス」ブラッシュアップ 開発の話~ Written by パタンナー
図:ブラウスやトップスなどの袖のつき方についての解説
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【改良への葛藤・・・】
ブラウスの新デザインを出そうと思っても、「二次元と運命が交差するブラウス」の時のような「いいバランス!」と思えるデザインが出てこないのが新ブラウス開発の悩みという現状です。
あのブラウスは、生地、ボタン、仕様、各ディテールのデザイン、全体のバランス・・・何から何まで細かくブラッシュアップして、パタンナーとしてはこれ以上ない絶妙のバランスにおさまっていると感じています。
そのバランスを崩さずに、「ブラウスの袖をあと少しだけでも上がりやすく」出来ないだろうか・・・改良する必要があるのか?ないのか?・・・モヤモヤ・・・
と!考えていた時に、先日の1日限定ショップでもお客様からのご意見を直接うかがう機会に恵まれましたし、お客様の要望であれば・・・
現行のままで問題は無いと考えていますが、「どこかのタイミングで検証して、必要であれば改良しよう」と踏ん切りがつきました。まずは改良すべきか「検証」から!
【検証・・・】
パタンナーとしていくつかの要素を考えた上で、現行のブラウスを流していましたが、「シルエットの美しさ」「機能性」「着心地」のバランスを見直すいい機会でした。
とても簡単に「袖の構造」を解説すると・・・「袖」単体では存在しなく、ほとんどの場合「身頃(の袖ぐり)」とセットになって、「身頃」に対して「袖」がくっ付くワケですが、ここであるバランスが成立します。
①身頃(袖ぐり)が大きい=袖の幅も太くなる=袖を横向き(腕を水平に上げた状態)にした時に1番きれいな状態(脇の下あたりのしわが少ない状態)=袖山が低い
②身頃(袖ぐり)が小さめ=袖の幅も細くなる=袖を下向き(腕を普通におろしている状態)にした時に1番きれいな状態(脇の下あたりのしわが少ない状態=袖山が高い
といった具合に、一連のモノがバランスを取り合って立体になっています。
ちなみに①のタイプはアロハシャツや、去年あたり流行ったドルマンスリーブが代表的。製図からして「ほぼ水平向き」に袖を設計するので、腕は上にも下にも動かしやすい。「動く、作業をする、運動する」ということを意識したタイプ。
逆に②タイプはテーラードジャケットや袖山にギャザーの入ったエレガントなブラウスとか・・・こちらの製図は、最初から「下向き」に袖を設計します。「あまり激しく動かずに腕を下におろした状態が美しい」ということを意識したタイプ。
NO.Sは①で服を作ることはほとんどなく(でも・・・デザインによりますね。カジュアル系に多い傾向)、現状では98%が②のタイプです。
デザイン的にもパターン的にも「品良く」「美しく」と意識していますので「袖は細めにシャープに」表現するようにしています。
さておき、ここで私の頭の中では大葛藤です。
問題になってくるのは、①タイプ(カジュアル系)で製図すると「腕は上がりやすいが袖は太くなる」
一方、②タイプ(エレガント系)は「腕の動きに制限はかかるが袖は細くできる」
・・・①と②の中間で、尚且つ現行のブラウスの「美しさ」が損なわれない「改良のためのバランス」を探し出すように考え、カタチを作ってみて、着用してみる・・・
≪今回の検証に必要な「袖」に関わるバランス≫
今秋より、大人気「二次元と運命が交差するブラウス」をブラッシュアップ版に切り替えを行います。
まずは8月28日(金)より予約受付開始のボルドー・ブラックがブラッシュアップ版で初登場。
ホワイト、ベージュカラーにつきましても、現在の在庫が無くなり次第、ブラッシュアップ版への切り替えを行います。
お客様より「腕が上がらない」とのご意見を度々頂きますが、よくよく話を伺うと「肩をグルグル回す」「腕を真上真横に上げる」といった動作が出来ないといった場合が多くございました。
腕が動かしやすいTシャツなどとブラウスは、そもそも袖のつき方から異なります。
それぞれのアイテム毎の構造や特性の解説を踏まえながら、どのように着やすくする方法がベストなのか、今回の記事はパタンナーの思考過程を辿ることが出来る内容です。
「シルエットはそのままに、より着やすく」なるよう、パタンナーが考え、神経を使い、ブラッシュアップ版の開発が完了しました。
開発担当のパタンナーがブラウスのブラッシュアップについて詳しい解説を行わせて頂きます。
~「二次元と運命が交差するブラウス」ブラッシュアップ 開発の話~ Written by パタンナー
図:ブラウスやトップスなどの袖のつき方についての解説
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【改良への葛藤・・・】
ブラウスの新デザインを出そうと思っても、「二次元と運命が交差するブラウス」の時のような「いいバランス!」と思えるデザインが出てこないのが新ブラウス開発の悩みという現状です。
あのブラウスは、生地、ボタン、仕様、各ディテールのデザイン、全体のバランス・・・何から何まで細かくブラッシュアップして、パタンナーとしてはこれ以上ない絶妙のバランスにおさまっていると感じています。
そのバランスを崩さずに、「ブラウスの袖をあと少しだけでも上がりやすく」出来ないだろうか・・・改良する必要があるのか?ないのか?・・・モヤモヤ・・・
と!考えていた時に、先日の1日限定ショップでもお客様からのご意見を直接うかがう機会に恵まれましたし、お客様の要望であれば・・・
現行のままで問題は無いと考えていますが、「どこかのタイミングで検証して、必要であれば改良しよう」と踏ん切りがつきました。まずは改良すべきか「検証」から!
【検証・・・】
パタンナーとしていくつかの要素を考えた上で、現行のブラウスを流していましたが、「シルエットの美しさ」「機能性」「着心地」のバランスを見直すいい機会でした。
とても簡単に「袖の構造」を解説すると・・・「袖」単体では存在しなく、ほとんどの場合「身頃(の袖ぐり)」とセットになって、「身頃」に対して「袖」がくっ付くワケですが、ここであるバランスが成立します。
①身頃(袖ぐり)が大きい=袖の幅も太くなる=袖を横向き(腕を水平に上げた状態)にした時に1番きれいな状態(脇の下あたりのしわが少ない状態)=袖山が低い
②身頃(袖ぐり)が小さめ=袖の幅も細くなる=袖を下向き(腕を普通におろしている状態)にした時に1番きれいな状態(脇の下あたりのしわが少ない状態=袖山が高い
といった具合に、一連のモノがバランスを取り合って立体になっています。
ちなみに①のタイプはアロハシャツや、去年あたり流行ったドルマンスリーブが代表的。製図からして「ほぼ水平向き」に袖を設計するので、腕は上にも下にも動かしやすい。「動く、作業をする、運動する」ということを意識したタイプ。
逆に②タイプはテーラードジャケットや袖山にギャザーの入ったエレガントなブラウスとか・・・こちらの製図は、最初から「下向き」に袖を設計します。「あまり激しく動かずに腕を下におろした状態が美しい」ということを意識したタイプ。
NO.Sは①で服を作ることはほとんどなく(でも・・・デザインによりますね。カジュアル系に多い傾向)、現状では98%が②のタイプです。
デザイン的にもパターン的にも「品良く」「美しく」と意識していますので「袖は細めにシャープに」表現するようにしています。
さておき、ここで私の頭の中では大葛藤です。
問題になってくるのは、①タイプ(カジュアル系)で製図すると「腕は上がりやすいが袖は太くなる」
一方、②タイプ(エレガント系)は「腕の動きに制限はかかるが袖は細くできる」
・・・①と②の中間で、尚且つ現行のブラウスの「美しさ」が損なわれない「改良のためのバランス」を探し出すように考え、カタチを作ってみて、着用してみる・・・
≪今回の検証に必要な「袖」に関わるバランス≫
身頃(袖ぐり)
袖の幅
袖の向き
袖山の高さ
①タイプ
大きめ
太め
横向きに近い
低い
②タイプ
小さめ
細め
下向き
高い
どんなイメージでカタチにするかが、「袖の向き」に大きく関わってきます。
同時に他の要素のバランスが決まっていきます。
■写真(左:現行版、右:ブラッシュアップ版)
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【バランスの比重を変更した改良版】
簡単にですが、説明してきた「バランス」を考えた上で「ああでもない、こうでもない・・・」と悩みましたが「このタイプを試してみよう」と2つのタイプに絞っていきました。
タイプA:身頃の袖ぐりを小さく=袖山低め(若干横向きの袖)=袖の幅はほぼ現行通り
タイプB:身頃の袖ぐりを若干広げる=袖山やや低め(ほぼ現行状態)=袖の幅も若干太く
2つのトワルを着用してもらい検証をしてみました。
タイプAは「パターンのバランス」からするとちょっと「ルール破り」な部分がありましたので不安な部分がありました。
「着心地」として圧倒的にタイプBが良く、更に見た目にも現行との差がほとんどわからないトコロまで「攻められた」感触です。
現行のブラウスの全体のイメージを損なうことなく(改良する上で、コレは今回大事なポイントでした!)、もう少しだけ「機能性」「着心地」に比重を置いて、尚且つ「シルエットの美しさ」を保てるバランス・・・
見た目にはほぼ変わらずに改良出来たのではないでしょうか。
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