運命のスカート開発裏話『三度目の正直』
本来なら、3月に発表予定となっていた「運命のスカ―ト」新色。
アリスが遅れたついでに白うさぎコーディネートがポンポンと決まったので結果オーライではありましたが。
そもそも水色の生地がほとんど無く、探せど探せど廃盤の連続・・・
本日の発表までに2回の開発失敗を経て、三度目の正直でアリスブルーが決定しました。
素材の違い、生地の違いでこんなにもお洋服の見え方が変わるんです。
無地の生地選びの難しさに泣かされた、開発秘話、どうぞご覧ください。
4月の新作『不思議の国のアリスと白うさぎ』
*先行予約一覧:http://shop.nos-project.jp/fs/line/c/pre-order
[gallery type="rectangular" size="large" ids="5643,5429"]
TAKE1:表情の無い生地を使うとこうなる(無地・ポリエステルツイル)
解説:パタンナー
「色」が重要だったので色重視でセレクト。
なんと言っていいか・・・想像以上に「パワー」を感じない「無表情なポリエステル」だった。
もちろん世の中には、他にも「ポリエステルツイル」と名のついた生地はあるが、「落ち感」も
良過ぎてしまったように感じる。
ある程度の「ハリ」が必要なこのスカートのシルエットを表現するにはマッチしていない。
「表面効果」があるわけでもなく、「色」は良かったはず・・・Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
完全にベタッと1色で、色の深みが感じられない・・・
もうソレ以上、イメージを膨らませることが出来ず、満場一致でボツです・・・・・
[gallery type="rectangular" size="large" ids="5426,5427"]
TAKE2:コットンで二次元スカートに挑戦(無地・コットンブロード)
解説:パタンナー
こんなにポリエステル素材で探して見つからないなら・・・コットンを視野に入れてみる?
ここでもやはり「色」は重要要素。
生地として、ある程度の厚みがあって、でも粗野になってしまわない様に・・・と物色していたら
ほんの若干「光沢」のある、細い糸を使って織った「コーマブロード」が候補に。
ノスプロジェクトでは頻度の少ない「コットン素材」。
この機会に試してみたいということになりセカンドサンプルへ!
・・・・・これもヘナッとして、この表情では「商品としてはナイ!」ということに・・・
細くて高価な糸を使っているだけあって「品の良い控えめな光沢のコットン」ではあったが、
座った数だけシワが無数に増えていく・・・というのも大変忍びないです。
「取り扱い」や「ケア」もかなりの手がかかることが予想され、TAKE1のようにシルエットを
充分に表現できるだけの「ハリ不足」・・・・・で、ボツです。
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TAKE3:三度目の正直、アリスブルー決定!(無地・ポリエステルドビー)
解説:パタンナー
やはり「コットン」では、はいて動いた後の「ケア」を考えると・・・
ただでさえアイロンの当てづらいフワッとしたバルーンスカート。
ついてしまったシワを、その度その度時間をかけてアイロン?(-_-;)
となるとやはり「シワになりにくいポリエステル」・・・ということでTAKE3はもう一度
ポリエステル探しに戻ります。
下半身もよく動きますから、シワに耐性があるのは抜群にメリットです。
もちろんアイテム、デザイン、シルエット・・・マッチしなければならないポイントはありますが、
比較的誰もが扱い易く、TAKE1のような「無表情なポリエステル」でなく、
やはり何かしらの「表面効果=織り方の工夫」や「加工=染めなどの視覚的に認識できる付与効果」が欲しいところ。
最後と決めたTAKE3は「ポリエステルドビー」!!
この生地はよ~く見ると「小紋柄」が織り込まれているかのような「ドビー=小さな織り柄のリピート」
更に、近くで見ると織り糸がムラ染め状態。遠巻きに見ると確かに単色。
しかしその見え方はTAKE1の見え方とは違って、ムラ染めの糸の色の濃淡が、明らかに「深みのある色」を織り成しています。
まさに「主張しすぎない表面効果と深みのある色=表情のあるポリエステル」と出会えたのではないでしょうか!
[gallery type="rectangular" size="large" ids="5532,5850,5540"]
いかがでしたでしょうか。
無地ならいくらでも生地の選びようがあると思われがちですが、無地こそ生地そのもののポテンシャルの高さが"仕立て映え"に大きく影響します。
"仕立て映え"あまり聞きなれない言葉かと思いますが、服として見栄えが良く見える生地かどうかということが、生地選びでは最も重要になります。
生地として見ているときよりも、服のカタチとして仕上がったとき、より一層生地の良さが引き立ちます。
一概には言えませんが、傾向として、高価な生地の方が仕立て映えが良い場合が多いです。
特に、TAKE1のポリエステルツイルの生地は、パッと見た感じは悪くはない感じでしたので、とりあえず撮影を行いました。
カメラのレンズを通すと、生地の価格の割にはとても“残念”な感じ。
上のトルソー写真ではそこそこの見栄えではありますが、着用写真がどうにもならず・・・何とも安っぽく見えてしまう。
パニエでこんなにふんわり膨らんだスカートが、ベタっとした色、のっぺりと平面的な見え方になってしまいました。
お見せするのもはばかられるぐらいの写真になってしまったので、写真も含めてお蔵入りです。
生地のハリで裾が角ばってしまい、ふわっとした柔らかさが特徴のバルーンシルエットにはそぐわず。
着てみても、気分は高揚しない。といったふうでした。
アリスコレクションを考えていたのにアリスが不在!どうしよう!
そこで、素材をコットンまで広げて生地を探すことになりました。
「コットン素材が欲しいです!」ブラウスもスカートでも度々頂くご意見も受け、やってみましたコットン素材。
TAKE2コットンブロード。
サンプルが仕上がったときに、縫製士さんが「シワがね・・・」と残念そうに呟いていました。
イスに座るたびにシワが目立つ、そんなスカートじゃ折角のおでかけも楽しめない。
そんなスカートで本当に満足してお召し頂くことが出来るんだろうかと思い、商品化を取り止めました。
どちらも『ワクワクする心で着こなして頂きたい』1着の仲間入りは出来ませんでした。
サンプル裁断士・縫製士さんには大変申し訳なく思いましたが、自分たちが良いと思えないものを出したくない。
『お客様に満足頂ける1着をお届けしたい』
NO.S PROJECTのポリシーに適わないため、ボツとなりました。
新作開発裏話、いかがでしたでしょうか。
テーマとデザインが決まり、生地探しやトワルチェック後に開発が難航する場合が多くありますが、
最初から最後までトントンとスムーズにいく方が稀です。
新作開発の度に、立ちはだかる開発の壁。
5月の新作、「これカワイイ!」と一目惚れした生地からイメージが湧きあがりました。
レトロなシリーズ、お披露目まで今しばらくお待ちくださいませ。
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4月の新作『不思議の国のアリスと白うさぎ』
*先行予約一覧:http://shop.nos-project.jp/fs/line/c/pre-order
本来なら、3月に発表予定となっていた「運命のスカ―ト」新色。
アリスが遅れたついでに白うさぎコーディネートがポンポンと決まったので結果オーライではありましたが。
そもそも水色の生地がほとんど無く、探せど探せど廃盤の連続・・・
本日の発表までに2回の開発失敗を経て、三度目の正直でアリスブルーが決定しました。
素材の違い、生地の違いでこんなにもお洋服の見え方が変わるんです。
無地の生地選びの難しさに泣かされた、開発秘話、どうぞご覧ください。
4月の新作『不思議の国のアリスと白うさぎ』
*先行予約一覧:http://shop.nos-project.jp/fs/line/c/pre-order
[gallery type="rectangular" size="large" ids="5643,5429"]
TAKE1:表情の無い生地を使うとこうなる(無地・ポリエステルツイル)
解説:パタンナー
「色」が重要だったので色重視でセレクト。
なんと言っていいか・・・想像以上に「パワー」を感じない「無表情なポリエステル」だった。
もちろん世の中には、他にも「ポリエステルツイル」と名のついた生地はあるが、「落ち感」も
良過ぎてしまったように感じる。
ある程度の「ハリ」が必要なこのスカートのシルエットを表現するにはマッチしていない。
「表面効果」があるわけでもなく、「色」は良かったはず・・・Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
完全にベタッと1色で、色の深みが感じられない・・・
もうソレ以上、イメージを膨らませることが出来ず、満場一致でボツです・・・・・
[gallery type="rectangular" size="large" ids="5426,5427"]
TAKE2:コットンで二次元スカートに挑戦(無地・コットンブロード)
解説:パタンナー
こんなにポリエステル素材で探して見つからないなら・・・コットンを視野に入れてみる?
ここでもやはり「色」は重要要素。
生地として、ある程度の厚みがあって、でも粗野になってしまわない様に・・・と物色していたら
ほんの若干「光沢」のある、細い糸を使って織った「コーマブロード」が候補に。
ノスプロジェクトでは頻度の少ない「コットン素材」。
この機会に試してみたいということになりセカンドサンプルへ!
・・・・・これもヘナッとして、この表情では「商品としてはナイ!」ということに・・・
細くて高価な糸を使っているだけあって「品の良い控えめな光沢のコットン」ではあったが、
座った数だけシワが無数に増えていく・・・というのも大変忍びないです。
「取り扱い」や「ケア」もかなりの手がかかることが予想され、TAKE1のようにシルエットを
充分に表現できるだけの「ハリ不足」・・・・・で、ボツです。
[gallery type="rectangular" columns="1" size="large" ids="5622,5623,5626"]
TAKE3:三度目の正直、アリスブルー決定!(無地・ポリエステルドビー)
解説:パタンナー
やはり「コットン」では、はいて動いた後の「ケア」を考えると・・・
ただでさえアイロンの当てづらいフワッとしたバルーンスカート。
ついてしまったシワを、その度その度時間をかけてアイロン?(-_-;)
となるとやはり「シワになりにくいポリエステル」・・・ということでTAKE3はもう一度
ポリエステル探しに戻ります。
下半身もよく動きますから、シワに耐性があるのは抜群にメリットです。
もちろんアイテム、デザイン、シルエット・・・マッチしなければならないポイントはありますが、
比較的誰もが扱い易く、TAKE1のような「無表情なポリエステル」でなく、
やはり何かしらの「表面効果=織り方の工夫」や「加工=染めなどの視覚的に認識できる付与効果」が欲しいところ。
最後と決めたTAKE3は「ポリエステルドビー」!!
この生地はよ~く見ると「小紋柄」が織り込まれているかのような「ドビー=小さな織り柄のリピート」
更に、近くで見ると織り糸がムラ染め状態。遠巻きに見ると確かに単色。
しかしその見え方はTAKE1の見え方とは違って、ムラ染めの糸の色の濃淡が、明らかに「深みのある色」を織り成しています。
まさに「主張しすぎない表面効果と深みのある色=表情のあるポリエステル」と出会えたのではないでしょうか!
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いかがでしたでしょうか。
無地ならいくらでも生地の選びようがあると思われがちですが、無地こそ生地そのもののポテンシャルの高さが"仕立て映え"に大きく影響します。
"仕立て映え"あまり聞きなれない言葉かと思いますが、服として見栄えが良く見える生地かどうかということが、生地選びでは最も重要になります。
生地として見ているときよりも、服のカタチとして仕上がったとき、より一層生地の良さが引き立ちます。
一概には言えませんが、傾向として、高価な生地の方が仕立て映えが良い場合が多いです。
特に、TAKE1のポリエステルツイルの生地は、パッと見た感じは悪くはない感じでしたので、とりあえず撮影を行いました。
カメラのレンズを通すと、生地の価格の割にはとても“残念”な感じ。
上のトルソー写真ではそこそこの見栄えではありますが、着用写真がどうにもならず・・・何とも安っぽく見えてしまう。
パニエでこんなにふんわり膨らんだスカートが、ベタっとした色、のっぺりと平面的な見え方になってしまいました。
お見せするのもはばかられるぐらいの写真になってしまったので、写真も含めてお蔵入りです。
生地のハリで裾が角ばってしまい、ふわっとした柔らかさが特徴のバルーンシルエットにはそぐわず。
着てみても、気分は高揚しない。といったふうでした。
アリスコレクションを考えていたのにアリスが不在!どうしよう!
そこで、素材をコットンまで広げて生地を探すことになりました。
「コットン素材が欲しいです!」ブラウスもスカートでも度々頂くご意見も受け、やってみましたコットン素材。
TAKE2コットンブロード。
サンプルが仕上がったときに、縫製士さんが「シワがね・・・」と残念そうに呟いていました。
イスに座るたびにシワが目立つ、そんなスカートじゃ折角のおでかけも楽しめない。
そんなスカートで本当に満足してお召し頂くことが出来るんだろうかと思い、商品化を取り止めました。
どちらも『ワクワクする心で着こなして頂きたい』1着の仲間入りは出来ませんでした。
サンプル裁断士・縫製士さんには大変申し訳なく思いましたが、自分たちが良いと思えないものを出したくない。
『お客様に満足頂ける1着をお届けしたい』
NO.S PROJECTのポリシーに適わないため、ボツとなりました。
新作開発裏話、いかがでしたでしょうか。
テーマとデザインが決まり、生地探しやトワルチェック後に開発が難航する場合が多くありますが、
最初から最後までトントンとスムーズにいく方が稀です。
新作開発の度に、立ちはだかる開発の壁。
5月の新作、「これカワイイ!」と一目惚れした生地からイメージが湧きあがりました。
レトロなシリーズ、お披露目まで今しばらくお待ちくださいませ。
[gallery type="rectangular" columns="1" size="large" ids="5807"]
4月の新作『不思議の国のアリスと白うさぎ』
*先行予約一覧:http://shop.nos-project.jp/fs/line/c/pre-order
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