セーラーワンピース開発の話

~セーラーワンピース開発の話~

セーラーワンピースの開発秘話をパタンナーにインタビューして参りました。



店長
昨年、初めて発表した「セーラーカラーマリンブラウス」実はこの時点でセーラーワンピースの構想はありました。
ただ、マリンブラウス発表後多くの反響を頂き、再販をかけることを優先したので、お届け時期的にセーラーワンピースが8月下旬に届いても・・・ということで、持越しになっていたデザインですね。

パタンナー
ようやく今年、あたためていたセーラーワンピースの開発に着手出来ました。
「夏を感じる大人のワンピース」を意識して、"海"とか"砂浜"がイメージできるように・・・とカタチにしていきました。

店長
昨年秋に発表した「セーラーブラウス2」ではセーラーラインにチェック柄、「セーラーコート」はトレンチコートなどにみられる、背中のあて布と胸あて布を「重なった衿」に見立てた仕様に。
今年春に発表の「セーラーPolo」「セーラーカーディガン」はニット生地を2枚重ねたセーラーライン。
今回の「セーラーワンピース」はどのような襟の仕様にしようと考えたのでしょうか。

パタンナー
ワンピースというアイテムなので、衿がヘラヘラにならないように、でも重たくならないように・・・と考え、
2枚仕立ての衿の仕様を工夫しました。

店長
仕上がったサンプルを見たときに、カッコイイ!と思ったのが衿腰部分の持ち上がりの美しさ。
お客様にも是非ココに注目して見て頂きたいポイントですね。
*衿腰:襟の折り返し内側の首に沿って立っている部分,立ち代。



 

 

 

 

 

 

パタンナー
セーラーカラーの仕様を考えるときに、まず考えたのがフロントの「Vの角」をどう上手いこと収まりよくするか。

ゴロつきを抑え、尚且つ、セーラーラインのNO.S PROJECTらしいアレンジを組み込むためにどうすればいいか、頭を捻りました。
今までコートやカーディガンなど様々なアイテム、生地に合わせたセーラーラインの仕様を考えてきましたが、
4月に発表した「セーラートップス」のテクニックのアレンジで、スッキリ収まりました。

 



セーラーワンピース開発中風景。ファーストパターン。

※ファーストパターンとは
シルエット、ディテールなどが大まかに決まると、トワル(仮の布を使って作る、お洋服の形を見るためのサンプル)を組むためのパターン。

店長
開発当初のトワルは後ろ姿がバックフリルワンピースでしたね。
「バックフリルワンピース」は丈を長くして欲しいと要望を多く頂いたので、今回の「セーラーワンピース」に組み込んだトワルを作ってみましたが・・・

 



パタンナー
開発メンバー全員一致で、バックフリルは止めようと。
「大人っぽく」というイメージと「ポイントが分散してしまう」という観点から、バックフリルを失くしたことでスッキリとまとまったデザインになったのではないでしょうか。

店長
そうですね~。ホントは以前にも何度かミドル丈のバックフリルには挑戦して頂いたんですが、
やはりバックフリルはあの丈だからこそ絶妙なバランスなんだと思い知らされました。
丈が長くなった分、後ろのフリルが間延びした印象が強くなってしまうし、胴が長くスタイルが悪く見えてしまうのがどうしても気になってしまって。
ご意見を頂いたお客様には大変申し訳ないですが、どうか、ご容赦願いたいです・・・

パタンナー
インバーテッドプリーツも適度に配置し、腰回りにある程度のフィット感を残して、裾に向かって広がるシルエットに決定しました。
*インバーテッドプリーツ:ボックスプリーツの裏側状態



店長
このシルエットは清楚で上品に見えて、「大人っぽい」デザインにバッチリ決まりましたね。
このワンピースの前身頃にボタンを6つか8つ配置する案もありましたが、メンバー全員一致で、ボタンが無い方が断然「大人っぽい」と。
ワンピース単体でも可愛いけど、ちょっと何か胸元にあっても良いんじゃないかなぁ・・・と。
急遽小物開発部門にセーラースカーフの開発をお願いしました。
特にネイビーカラーのスカーフが、合わせるともっとワンピースが大人っぽく惹き立ったのではないかと自負しています。

パタンナー
僕はカーキ2色、アッシュカーキとサンドカラーが本当にお気に入りなので、カーキ系やミリタリーカラーが好きな人には是非オススメしたいですね!!



 

 

 

 

 

 

店長
カラーは定番のネイビー、今年のトレンド「デニム」をカラーで取り入れたブルー、根強い人気のカーキの3色を選んでみました。
そういえば、このインタビューまですっかり忘れてましたが、セーラーラインのメローの糸も結構悩みましたよね。



パタンナー
ネイビー、ブルーにはホワイトカラーを真っ白いラインでセーラー感を出すか、すこーしピンクベージュがかったホワイトで生地に馴染ませるかで両方試してみました。
僕はカーキにはコゲチャのラインもお洒落じゃないかなぁと思って提案してみました。

店長
最終的にはネイビー、ブルーにはホワイトカラーのセーラーラインに決定しました。
カーキは・・・写真で色の違いが伝わるのかちょっと不安ですが、提案していたブラウンと厳選した3色くらいカーキの色味を合わせて、それでもやっぱりしっくり来なかった。
そこで、このセーラーワンピースのためだけに新しいカーキの糸を取り寄せています。



パタンナー
袖は色々考えましたが・・・どうしても今回のイメージにバチッとはまる袖は出て来ず。
トワルの半身を袖有りバージョンを作ってみて見比べ、検討しましたが、やっぱりノースリーブの方が可愛い!
当初から考えていた「ノースリーブ」に落ち着きました。
着ただけで「夏」「海」「砂浜」がバックに浮かび上がってきませんか?!